矯正も吹奏楽も! 歯科医としっかり相談することで、楽しい部活動も実現できます

中学・高校生ぐらいのお子さまをお持ちの保護者さま、お子さまはクラブ活動、何をされてますか? クラブ活動といえば運動部と文化部に大きく分けられますが、その中でも吹奏楽部は文化部の中でも1、2を争う人気の高い部活動ですよね。

矯正と吹奏楽の両立

 

ところで、私の知人にプロのトランペット奏者がいます。彼曰く「虫歯で歯が抜けたりしたら、音色が変わってしまうねん。」とよく言うんですね。トランペットを演奏するためには、唇や歯はとても重要な役割があるそうで、口と口内のケアをいつも入念に行っています。それぐらい、吹奏楽は歯や口のケアが大切なんですね。

 

ということは、吹奏楽にチャレンジしたくても、歯並びや虫歯を気にして挑戦をためらってるお子さまもいらっしゃるのでは? この記事では、歯や口のことが気になるお子さまが吹奏楽部に入部できるのかどうか、歯科医の立場から様々な可能性をご紹介いたします。

 

 

吹奏楽を始める前なら、治療の選択肢に幅が出来ます

 

まず大切なのは、学校の吹奏楽部の先生の許可。吹奏楽部在部中に、矯正治療が可能かどうか確認を取りましょう。顧問の先生や学校によっては、矯正治療自体を禁止している場合もあります。お子さまにとっては一度きりの学生生活。「矯正治療を始めてしまったばっかりに、せっかく楽しみにしていた部活動に入部できない!」となってしまうのは、とても悲しいことです。

 

もし在部中の矯正治療が認められていなくても大丈夫。部活動を引退してから、或いは成人してからでも治療は受けられます。矯正治療と部活動、どちらを優先するのか、ご家族でよく話し合われるとが良いでしょう。但し、矯正治療は開始する年齢によって治療内容が変わっります。ご家族での話し合いの前に、お近くの歯科医院で矯正治療の相談を受けてくださいね。

また、楽器によっても矯正治療による影響が異なります。当然のことですが、吹奏楽部でも打楽器担当であれば、矯正治療の影響はほぼありません。その他の吹奏楽器でも、どのようなものが演奏しやすいか、などは歯科医からもアドバイスいたします。

 

既に吹奏楽を始めている場合、より楽な治療方法を一緒に考えましょう

 

次の場合は、お子さま、保護者さま、そして歯科医の三者で、治療方針について検討の必要があります。

  1. 吹奏楽部にすでに所属していて、楽器が決まっている場合
  2. 演奏したい楽器が明確な場合
  3. 演奏会の日程が既に決まっている

1や2については、取り外しのできる矯正装置を使用することで、演奏を妨げないようにできる場合もあります。また、演奏会などの時期を考えて、少しでも演奏への負荷がかからないような治療方針を検討することも可能です。吹奏楽を優先して、出来る範囲の矯正治療のご提案も出来るので、悩むぐらいでしたらお早めにご相談ください。

 

患者様と保護者様、そして歯科医師の意思疎通、そして歩み寄りが大切

 

吹奏楽を頑張っているお子さんの治療をしていて、とても難しいと感じる時があります。それは、お子さんだけでなく、保護者さまの治療に対する協力が得られない時。

 

吹奏楽に対する十分な説明をした上で治療を開始したはずなのに、「やっぱりうまく演奏できないので、外してほしい。」とおっしゃるお子さまは少なくありません。そのような場合は、歯科医師から矯正治療の重要性を再度説明することができますし、改善案を提示して、少しでも楽な方法を探すことができます。

 

ところが、保護者さまもお子さまの意見に同調された場合、それ以上の治療は続けることができません。なぜなら、治療を中断することもまた、患者さまの権利だからです。とはいえ、途中で治療をやめてしまうと、それまでにかかった時間、治療費用、治療のつらい思い、そして中途半端なままになってしまう噛み合わせ… 「お子さまのためにも、保護者さまの経済的な意味でも最初から治療をしなかった方が、良かったのではないか・・・」と、私たちも悲しい気持ちになってしまいます。

 

吹奏楽の事例に限らないのですが、最後まで納得して治療を受け続けられるよう、治療を開始する時はじっくり歯科医とお子さま、保護者さまで方針をご検討ください。治療の期間や痛み、器具、経済的なこと。途中で投げ出すくらいなら、最初の時点でしっかり、じっくり矯正の専門家に疑問や質問をぶつけるようにしてくださいね。

 

 

 

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