インプラント治療を始める時期はいつ頃?入れ歯やブリッジとの比較有

永久歯の中で一番喪失しやすい歯はどの歯かご存知でしょうか?

それは下の奥歯(大臼歯)です。

確かに僕たちも日々臨床をしていて下の奥歯、特に前から6番目のいわいる6歳臼歯のみ喪失している、あるいは喪失までしていなくても治療されているケースをよく見かけるような実感はあります。

今回は歯を失ってしまった時のお話をしていきます。

implant

『ブリッジ』という選択肢

例えば6歳臼歯(第一大臼歯)を1本失った場合、どのような治療が考えられるでしょうか。

失った歯の前後の歯が残されている場合は『ブリッジ』という治療法があります。

ブリッジ

ブリッジ とは、歯が抜けてしまった場合に両隣りの歯を削って土台にし、前後の歯を橋渡しをするように人工の歯を入れて欠損部分を回復するものです。

ブリッジは保険が適用されるので治療費用を抑えることができます。また、短期間で治療が済み、自分の歯と大きく変わらず噛めるので、これまで通りの生活が送れるという点がメリットだと言えます。

デメリットとしては両隣の歯を削る必要があります。両隣の歯が健康な歯である場合、ブリッジを装着することにより寿命が縮まる可能性があるのです。

土台となる歯の状態が悪く、ブリッジを支えるのに適していない場合はブリッジを入れることはできません。

ちなみにブリッジの平均寿命は10年前後と報告している文献があります。すなわちブリッジを装着された歯は10年前後で、もはやブリッジを支えることができない状態になっているケースも存在するということではないでしょうか?

最初は1本の欠損が2本に、2本の欠損が3本に…と加速的に欠損が拡大していくのです。

ブリッジについては『歯のブリッジって何?入れ歯やインプラントとの違いや注意点について』にて解説しています。

歯のブリッジって何?入れ歯やインプラントとの違いや注意点について

 

『入れ歯』という選択肢

ブリッジのほかに『入れ歯』という治療方法があります。

入れ歯には「総入れ歯」と「部分入れ歯」がありますが、欠損歯が1本だけの場合は部分入れ歯になります。

「健康な歯を削りたくない」「欠損歯の隣の歯の状態が悪い」といった理由でブリッジの治療を避ける場合は「部分入れ歯」を入れるという選択肢もあります。

部分入れ歯

「健康な歯を削らなくて良い」「取り外せるのでブリッジと比べて手入れがしやすい」といったメリットがありますが、ブリッジは自分の歯に近い感覚で使えるのに対し、入れ歯の場合は装着時の違和感があります。そして、入れ歯は天然歯に比べて「噛む力(咬合力)」が落ちるといった欠点があります。

このようにインプンラント治療が普及する前であれば、失った歯の前後の歯を削ってブリッジを装着するか、入れ歯にするケースが多かったように思われます。

入れ歯については『入れ歯の種類について解説!部分入れ歯と総入れ歯どっちがいい?』をご一読ください。

 

『インプラント』という選択肢、治療の時期

インプラント

多くの歯が欠損し、見た目の問題がでてきたり、噛めないなどの日常生活に不自由が出てきてからインプラント治療を受けるとなると、かなりの時間と費用が必要となることも少なくありません。

だから歯医者側の心情としては欠損が少ないうちにインプラント治療を選択して欲しいのです。

なぜならインプラント治療の最大の目的は残った歯にかかる負担を軽減し、その寿命をのばすことだからです。

ブリッジは両隣の歯を削り支柱にして歯を固定させますが、インプラントの場合、顎の骨にインプラント体を固定するためブリッジのように両隣の歯を削る必要はありません。

また、入れ歯のように噛む力が落ちず、咬合力も以前のまま保つことができ、見た目も自然に近い状態で作ることが可能できます。

インプラントはしっかりメンテナンスを行えば、10年後生存率は、約95%といわれています。

詳しくは『インプラントのメリット・デメリットは?ブリッジや入れ歯との比較有』をご確認ください。

インプラントのメリット・デメリットは?ブリッジや入れ歯との比較有

 

『噛む』ことは大切なこと

歯を失ってしまうことによる問題は「食事がしにくくなる」「見た目が悪くなる」といったことだけではありません。

歯を失ったまま長い間放置してしまうと、喪失した歯の隣りの歯が支えを失い、だんだんと傾き、噛み合わせが悪くなってしまいます。

また、発音しにくくなったり、片側ばかりで噛むことで顔や身体の歪みにつながったりと、口の中の問題だけでなく、思いもよらないような影響がでてくるのです。

「噛む」ということは当たり前のことのようで、とても大事なことです。

しっかり噛むことで、よく噛むことで消化酵素の分泌が促されて、内臓への負担が軽減します。唾液の分泌も促されることで、お口の細菌の繁殖も抑えられるのです。

噛むことで顎や顔の筋肉が鍛えられて、メリハリのある表情になります。

 

このように、歯を大切にすると様々なメリットを得ることができます。

 

まとめ

歯を失ってしまった時の選択肢には、「ブリッジ」「入れ歯」「インプラント」の3つの治療法があります。

ぜひ、それぞれの治療の予後・特徴・メリット・デメリットをしっかりと把握し、歯科医院で担当歯科医とともにあなたに合った治療法を相談していただければと思います。

りょうき歯科クリニックには、インプラント治療を得意とする歯科医師が在籍しています。インプラント治療をしようか迷われている方は、ぜひ当院までご相談くださいませ。

 

 

最終更新日:2021/3/12

(公開日:2015/5/4)

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